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いのちの電話に掛けてみたときの話。

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現代社会、辛いことも多くて嫌になる時って誰にでもあると思うんですよ。

それで酷い時には死にたいとまで思う人もゴロゴロ。

そんな時に利用されるかもしれないホットラインセンター、いのちの電話を利用したことがあるので思い出話しと共に実態を紹介したいと思う。

 

僕は2年前くらいにひたすら飲食店でフルタイムに繰り返される代わり映えしないルーティンワークと持病によって唐突に生きる意味を見失ったことがあります。

 

フッ、と立ち止まって「なんの為に持病に苦しみながらも延々と客に飯を作っているんだろう?」という具合に。

 

そう思った日から仕事に行かず、部屋のベッドで眠るか横たわっているかの生活が始まりました。

2週間ほど動かず、飲まず食わず。ふとある事がよぎりました。

 

「仕事辞めても病気は治らないし、働いてなくて生活出来ないんなら死んだらいいんじゃないか?」と。

 

そういった思考がよぎったので部屋にあった安酒を片手に死に場所を選びに深夜徘徊を始めました。

歩行者用の赤信号を無視してフラフラ歩いてみたり、飛び降りて死ねそうな高い建物を探したりしました。

しかし田舎町で唐突に死のうと思ってもそう簡単に逝けそうなモノもなく、歩き疲れたので公園のベンチに座り込んでボーッとしていました。

 

何か面白い事はないか、と逡巡している内に『いのちの電話』の存在を思い出しました。

 

あのホットラインなら今の自分にトドメ、あるいは生きる理由を与えてくれるのではないかと思ったのです。

結局希死念慮のある人間なんて何かに縋りたくなるものなんだ。

 

電話サービスの番号を検索して、掛けてみた。

 

電話越しに「はいぃ、もしもし、こんばんはぁ」という明らかに物腰の柔らかいおばちゃんの声が聞こえてきた。

 

『死にたくて電話をする』という経験がなかった為、恐る恐る「ここって自殺防止の電話のアレで良かったっすよね?」と尋ねた。

 

もちろん「そうです、あなたはどんな事で困っているんですか?」と返って来るので「持病に苛まれてふと生きる理由を見失った、今死に場所を探している」と伝えた。

特にこの段階で居場所なども聞かれなかったので警察機関との連携による保護などは恐らくないのだと思う、その時点で本気で自殺を食い止める気ってないですよね。ただのババアが司会のテレフォンショッキング。

 

すると「そうでしたか、大変でしたね…」と月並みの感想。大変でしたよ。

もうこの時点で割と馬鹿らしく感じている。

 

「それで、これから自分は何をすれば良いんでしょうね」と尋ねてみた。

 

「仕事をやめたなら次の仕事を探す為にハローワークへ、病気があるなら制度を利用して治療しましょう」と当然の事を言われた記憶がある。

 

マニュアルなのはわかるけど正直何週間も何もせずにじっとしていた人間・死ぬ気の人間に対して使うマニュアルではないと思う。

 

この瞬間に自分は絶句した。

本当に呆れて何も言葉が出ずそのまま電話を切った。

電話を掛ける前に望んでいたように、自分に圧倒的な現実を突きつけることでトドメを刺してくれたのだ。

 

周知の事実を教えるだけの電話サービスで相手方を呆れさせ、死ぬ気すら失せさせる事で自殺防止とはよく言った物だなと。

 

そして、私もそのイエスマンと通話できる馬鹿げたホットラインにまんまと自殺を防止されたというわけだ。

これからいのちの電話を利用しようと考える読者がいるなら、本当に利用する価値はないので生活に困ったり苦しい時は然るべきセーフティネットを利用してほしい。

 

現在筆者は別の病気で療養の為、ぼーっと元気にしょうもない毎日を送っているので安心してほしい。